犬のしつけ

噛む犬のトラブル!噛み癖がある犬が起こす問題点に注意

犬が人に危害を加えると殺処分になる?!噛む犬の代償

犬が人に危害を加えると殺処分になる?!噛む犬の代償

動物の殺処分(さつしょぶん)という言葉を聞いたことがありますか?

殺処分はその名の通り人間に都合の悪い動物を殺してしまう解決方法です。

ペットとして犬を飼う場合にはどうしても無視できない問題です。

飼主にとっては大切な愛犬でも、一定レベルを超えた噛み癖がある場合は保健所で殺処分にするしかないという残酷な結果になることもあります。

犬がちょっと人の手や足を噛んだという程度なら大問題にはなり難いかもしれません。それが家族に懐くこともなく、誰かれ構わず噛んでしまうとなれば問題です。

こうなると周囲からも「何とかすべき!」という声が上がり、家族も手に負えなくなって保健所に頼むという事になってしまうのです。

保健所の殺処分とは?

殺処分(さつしょぶん)と、言葉にすると何とも物騒で悲しい話ですが、家畜伝染病予防法という法律には伝染病に罹った動物や口蹄疫などの蔓延を防ぐために動物を殺処分にする事についての定めがあります。

噛み癖のある犬はこの範疇には入らないと感じる人も多いかもしれませんが、各自治体の保健所や動物管理センターには何らかの理由で「飼えなくなった」というだけで殺処分にされる犬が多数存在しているのです。

その数は1年間に約2万8000匹にも及び、うち幼犬が約4500匹(15%)、成犬が約2万3500匹(85%)という割合になっています。世の愛犬家にとっては、ちょっと厳しい結果かもしれません。

基本的に殺処分は禁止されている

基本的に犬を含めた動物は「動物愛護法」によって虐待や遺棄、殺傷が禁じられています。

法律で認められた目的がある場合や人間生活に著しい害を及ぼすなどの、明確な理由が無い限り生き物を殺す事は罪に問われます。

しかし、罪に問われるといっても人間のような殺人とはレベルが異なり、有罪であっても最高で罰金程度という違いがあります。

殺処分の例としては、ネズミや農作物を荒らすイノシシ、野鳥などの有害野獣の駆除の他、非常時、災害時の動物飼育施設(動物園)などで逃走防止として認められています。

骨折して走れなくなった競争馬なども、予後不良による理由が認められ殺処分の対象となります。

犬や猫のようなペットの場合、何らかの理由により飼い主が管理できない場合には遺棄や殺傷は認められていません。このような場合には所轄の保健所に届けて保護を依頼する形になります。

迷子になったペットも同様に保健所で保護されます。

避妊措置をとらなかったっために増えすぎて、処置に困った飼い主も合法的に子犬を処分するには保健所へお願いするしかありません。

また、ペットショップやブリーダーなどでは売れ残ったペットの処分も行われているといいます。

殺処分の権限や方法について

殺処分を実施する権限は、各地方の行政機関のみが持っています。個人が殺処分を行う事は認められていません。

また、殺処分の方法は法律で「できるだけ苦痛を伴わない方法(安楽死)」と規定されている範囲で実施されますが、実施機関により多少の違いはあるようです。

具体的には薬剤注射やガスなどがありますが、安全面や予算との関係上、炭酸ガス室による殺処分が多いようです。

噛み癖が理由でも殺処分になる

大切な愛犬を保健所で殺処分にするからには、特別な理由や事情があったのだろうと考える人もいるでしょう。

残念ながら殺処分にされる理由には、「病気で対処に困った」「転居したら飼えない」など飼主の勝手な都合も含まれています。

中には「犬に飽きた」「老犬になって見苦しい」「世話が面倒」などの理由で殺処分されてしまう犬もいるのです。

その理由の一つとして、「噛み癖がついて困っている」「人を噛むから処分せざるを得ない」「周囲から処分しろと抗議された」といったものもあります。

噛み癖で飼主を困らせたり、他人を噛んでしまい問題になった犬であれば、ご近所や親戚から処分しろと迫られるという例も少なくありません。

つまり、犬に噛み癖があり実際に他人を噛んだりして事件や事故を起こした犬は、保健所の殺処分につながる可能性があるという事です。

また、実際に飼い犬が人に噛みついた場合は、狂犬病の疑いが生じるため噛んだ犬はもとより、噛まれた被害者も法定検査が必要となります。

人を噛んだ犬の飼い主は、保健所に事故を届ける義務があり、また噛み傷の治療にあたった医師も警察や保健所に報告する義務があります。

噛まれた被害者も被害を保健所に通報する必要があり、場合によっては飼い主を告訴する場合も考えられます。

その結果、人に危害を加える犬という判決であれば、例え飼い主に従順な犬であっても殺処分命令が下される場合があるのです。

殺処分になるまでの間は?

保健所や動物管理センターでは管轄の条例にしたがって、いきなり殺処分にするのではなく保護を依頼された犬を一定期間飼育します。

その際、運よく新しい里親などが見つかればペットとして再出発する事になります。しかし、決められた期間が来ると引き取り手のいない犬は殺処分となります。

1年間に保健所やセンターに収容される犬の数は約6万匹ですが、元の家族に返される数は約1万5000匹、新家庭に貰われる数は約1万6000匹です。

残りの約2万8000匹は、残念なことに殺処分になっています。殺処分になりやすいのは噛み癖のある犬で、それは引き取り手が見つかり難いという理由も含まれているのです。

この殺処分には動物愛護などの立場からいろいろと異論もあるのですが、行政上は仕方の無い事とも言えます。

このような悲しい結果になら無い様にするためにも、噛み癖を無くす為のしつけを飼い主がするべきなのではないでしょうか?

殺処分にならない為にもしつけを!!

ペットの犬が飼い主の都合で殺処分になるという悲しい事実は、とても残念ですが、人に危害を加える犬(噛みつく犬)も場合によっては殺処分の対象になるのです。

犬を飼育している方は、犬が殺処分のような社会的な処分を受けないよう犬が噛みつくのを防止する為のしつけが必要であることも理解しておきましょう。

犬に噛まれた時に注意したい怪我・疾患・感染症!


犬が人を噛んだ場合、最も問題が大きくなるのが相手に怪我をさせてしまうケースです。

また、ちょっとしたキズや怪我の場合傷口が治ってしまえばある程度は問題になりませんが、怪我による感染症等の方がこの場合重症になってしまう事もあります。

これは何も第三者を噛んだ場合だけに限った事ではなく、飼主本人や家族を噛んでしまった場合もケガや感染症などの原因になることがあるので注意が必要です。

犬に噛まれた時に負う怪我(内出血・裂傷・化膿)

犬の噛み方が軽い場合、傷は無いものの患部が赤紫色に腫れてしまうことがあります。これが「内出血」で、皮下組織や体腔内に血液が溜まってしまった状態です。

内出血のみであれば、ある程度の期間が経過すれば自然に治癒する可能性もありますが、皮膚の下の組織に激しいダメージを受けているような場合回復が遅くなる可能性があります。

次に、犬に強く噛まれた場合は深い傷を負ってしまい、自然治癒だけでは対処できないケースもあります。人間と違って犬の歯は細く鋭いため、表面上傷が小さい場合でも、奥に深く傷を負ってしまう事もあります。

この場合、創部(キズの部分)から雑菌が入り、傷付いて崩れた皮下組織内で細菌が繁殖すると化膿してしまいます。化膿をしてしまうと傷の回復も遅くなり、最悪の場合傷の周辺組織が壊死してしまう事もあります。

ですので、犬にかまれた場合、傷の大小に関係なく自分で判断せずに、一度病院で診察してもらった方が良いでしょう。また、化膿の予防としても、病院を受診して消毒や抗菌薬の投与等の手当てをしてもらうようにしましょう。

犬に噛まれて起こる最悪の疾患!狂犬病

犬に噛まれて起こる病気として有名なのが狂犬病です。

狂犬病ウイルスを保有する犬に噛まれた場合、発熱や食欲不振、傷の痛み、知覚の異常などの症状が現われます。病状が進むと水を飲めない恐水症やけいれん発作、高熱、厳格、錯乱、麻痺などが起こり、呼吸困難や血圧低下を起こして死に至る場合もあります。

日本国内では基本的に狂犬病は起こらないと考えて良いですが、海外では年間4~5万人もの死者が出ているのも事実です。

もし、海外にて犬にかまれた場合には早急に、傷口を水と石鹸で洗い10分以上流水で傷口を洗うようにします。そして直ぐに病院に行き予防接種をするようにします。

基本的に日本では50年以上狂犬病の確認が無いので狂犬病を発症する可能性はほぼありませんが、少しでも狂犬病にかかっている可能性のある犬に噛まれたのなら病院で相談するようにした方が良いでしょう。

参考:狂犬病に関するQ&A

犬に噛まれたら破傷風(はしょうふう)にも注意

破傷風は広く土壌中に分布する破傷風菌が感染することにより発症し、最悪の場合死亡する事もある感染症です。

破傷風菌が生成するのは神経毒で猛毒性があり、主に傷口から感染する場合が多い病気です。

症状は脊髄などの中枢神経伝達機能不全がおこり口元の麻痺、筋肉痛などが自覚され症状が進行すると全身麻痺や筋肉弛緩などを発現させて死に至る場合もあります。

日本では破傷風の予防接種が義務付けられているものの、高齢者や免疫力が低い人は発症する可能性があるので要注意です。

破傷風はあらかじめ予防接種しておくと感染を防止できます。また症状の軽い初期に適切な治療を行えば命に関わる事はありません。

破傷風は犬などの動物にも容易に感染するしますので、もし犬に噛まれた場合には傷口をすぐに消毒洗浄するようにしましょう。

破傷風の治療や予防接種は?

日本では治療薬などは多くの病院で保有していますので発症してからでも手遅れになる事はありませんが、それでも念のためにワクチンを注射する場合があります。

海外旅行の時は旅行先での噛まれ怪我などで感染しても処置が遅れる場合もあるので、あらかじめ予防接種をしておくと良いでしょう。

参考:破傷風とは

犬に噛まれた時に注意したい事

犬に噛ませない!犬に噛まれない!事が重要ですが、万が一犬に噛まれたりした場合には、傷が小さくても一度病院で診察してもらう方が安心です。

例え擦り傷程度でも、雑菌等で化膿したり何かに感染したりする可能性があります。このような感染症もあるという事を意識し、億劫がらずに病院に行くようにして下さい。

犬が人を噛んだ時の損害賠償!何の費用?金額は?

犬が人を噛んだ時の損害賠償!何の費用?金額は?
飼い犬に噛み癖がある場合、人を噛んで怪我をさせるリスクがあります。

その際に、噛まれた相手から損害賠償金を請求される事もあります。我が家の愛犬だけは大丈夫と信じていても、状況次第では赤の他人に噛みついてトラブルを起こす可能性もあるのです。

このようなトラブルで損害賠償を請求されたという飼主も存在しているので、事前にどんなものがあるのか一度チェックしておいた方が良いでしょう。

飼主の管理責任を問われる!?

犬の飼主には「管理責任」というものがあります。民法では動物の飼主は他人に損害を与えたら、それを賠償する責任があると定めています。

つまり、愛犬が誰かに噛みついてケガをさせた場合、動物の所有者である飼主は損害賠償をする責任があるわけです。

これは相手に怪我をさせた場合だけでなく、他人の所有物を破損させたり汚してしまった場合でも同様です。

例えば、近所の人を噛んでしまったことはもちろん、近所の家の庭に入り、植木や盆栽といったものを壊したり、他人の敷地内で糞やおしっこをして汚してしまった場合も同じことです。

飼主が刑罰を受けた例もある

飼い犬が人を襲って噛みつき、負傷や死亡に至ったために飼主が刑罰を受けたというケースもあります。その飼主は仕事中に犬を放し飼いにしていたところ、犬が幼児を襲って1人が死亡、もう1人が負傷というケースです。

裁判で飼主は重過失(重大な過失)を犯したと判断され、「重過失傷害罪」に問われる結果となりました。

飼主が刑罰を科せられたからといって、幼児たちのご両親や家族の気持ちは癒されないわけですから取り返しの付かない過失としか言いようがないでしょう。

損害賠償の内容

よくある損害賠償の内訳

犬が他人を噛んでケガなどの損害を与えてしまったら、損害賠償などを請求される可能性が出てきます。

請求される可能性がある損害賠償
(1)怪我の治療費
(2)治療中に仕事を休んだ休業損害費
(3)肉体的・精神的な苦痛を受けたことに対する慰謝料

[su_table]

治療費 ・病院での診察や治療費
・数回に別けて治療を行う場合の費用
・将来的に手術が必要であればその費用
休業損害費 ・その人が普段仕事をしていた場合に貰えるハズだった給料
・怪我の治療が長引けばその分の日当も含む
・主婦であっても動けなくなって被った被害を金額に換算
慰謝料 ・肉体的、精神的な苦痛を受けた事に対する慰謝料
・衣類が破損していればその費用

[/su_table]

上記は犬が人を噛んだ場合の例ですが、犬が犬を噛んでケガをさせて賠償請求されるケースもあります。このケースで請求される可能性があるのは相手の犬の治療費です。

もし相手の犬が噛まれたことが原因で亡くなった場合は、家族同様の愛犬をケガさせた精神的な苦痛に対する慰謝料を請求される可能性も出てきます。

賠償金額の目安はいくら?

ある損保会社の調査によると、犬が人に噛みついたことが原因で支払われる賠償金の平均額は10万円程度となっています。

これはあくまで平均的な金額で、過去には5000万円を超える賠償金を請求された例もあります。

犬に噛みつかれただけで5000万円と驚く人もいるかもしれませんが、この例では犬が相手の女性に襲いかかったために転倒して死亡したというケースです。

飼い犬が別の犬に噛みついたことで相手の犬が亡くなり、精神的苦痛の慰謝料として400万円近い損害賠償金を請求されたという例も見られています。

犬種による賠償金額の違い

犬の対人トラブルでは犬種の違いによる賠償金高の差も出て来ています。

よく飼主に忠実といわれる秋田犬は噛みつきなどの対人トラブルが少なく、ある調査ではトラブル件数がゼロで賠償金もゼロ円という結果になっています。

対人トラブルで件数が多いのが柴犬で、平均賠償金は3.7万円となっています。柴犬が噛み付きやすい犬種なのかと言われればそうでもありませんが、柴犬を飼っている人が総合的に多い事でトラブル件数が多くなっているようです。

件数と比較して賠償金額が大きいのがやはり大型犬で、ゴールデン・レトリーバーはトラブル件数7件に対して賠償金の平均は11.6万円、ボーダー・コリーは6件の平均が8.6万円となっていました。

反対に小型犬での賠償金額は小さくなりミニチュアダックスフンドはトラブル件数18件に対して平均3.4万円、トイプードルは12件に対して平均5.8万円となります。

大型犬はトラブル件数は少ないものの賠償金は高め、小型犬は賠償金は低めだがトラブル件数が多いという事になります。

噛んでからでは遅い!犬が噛まない対策を!

犬が人を噛むと相手によっては高額な損害賠償請求が来る可能性もあります。これは相手側の考え方等によっても変わってきますが、「取れるものは取っておこう!」のような考え方もあれば、「噛まれた時の飼い主の対応が悪い事に怒りを覚えた」というような場合もあります。

また、弁護士を立てて損害賠償を請求してくる場合もあり、飼い犬が人を噛むとこのようなリスクがあるという事は覚えておきましょう。

ご近所さんで普段は仲が良くても、犬の噛み付き問題からそれ以降の付き合いが悪くなるという事もあります。相手によっては「お金さえ払えば解決するわけではない」という考え方の人も出てくるので、犬が噛んでしまってからの対処ではいろいろと面倒な事が多いという事です。

ですので、根本的な対策(犬が噛まないような対策)がとても大事だということなのです。

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