ペットの犬を室内で飼う場合、よく問題になるのが犬の臭いです。
「動物である犬に臭いがあるのは当たり前」といっても、家族だけでなく来客にまで指摘されて困ったという飼い主も少なくありません。
犬をペットとして飼う以上、臭い対策としての日常ケアを行う必要があります。
ここでは犬が臭くなる原因別に、日常的ケアでできる臭い解消法を紹介します。
犬の体臭が臭さの原因の場合
犬の嫌な臭いの原因の代表例が犬自身の体臭です。
ペットの犬を室内で飼っている場合、飼い主が何のケアもしないでいると体臭がキツくなります。
体臭は犬自体の臭さなので、ケージや室内を掃除しても悪臭解消にはあまり役立ちません。
シャンプーで体臭ケア
犬の体臭解消や予防に効果的なのがシャンプーです。
シャンプー剤は犬専用のもので、なおかつ犬種に合ったものを用意しましょう。
(1) シャンプー前にブラッシングをし、被毛のもつれや抜け毛をケアしておきます。
(2) シャワーやぬるま湯(36~38℃)で犬の体全体を濡らします。
(3) お湯だけで前足の付け根から足先、後足の付け根から足先の順に洗います。
(4) シャンプーを泡立てて、お尻の周り→背中→顔と顔の周りの順で優しく洗います。
(5) 頭と耳→顔→背中→胸→前足→お腹→お尻→後足の順でシャンプーを洗い流します。
犬の体や毛にシャンプー剤が残らないように、優しくていねいに洗い流してください。
終わったらペットタオルで犬の体を包み込むように水気を取り除きます。
次にスリッカーブラシで被毛をとかしながら、ドライヤーでブローして乾かします。
乾かしが十分でないと雑菌が繁殖して臭いが出やすいので、皮膚までしっかりと乾かしてください。
シャンプーのペース
犬の種類にもよりますが、春秋は3週間ごと、夏は2週間ごと、冬は4週間ごとに1回程度が目安です。
臭いと感じたらシャンプーしても構いませんが、洗い過ぎが体臭の原因になることもあるので気を付けましょう。
気になるようならシャンプーなしで、お湯だけで洗っても構いません。
予防接種後や体調が悪いときは避けてください。
重曹を使った体臭ケア法
犬がシャンプーやお湯を掛けられるのを嫌がる場合や、飼い主が忙しい場合などには、犬の体を拭いてあげるだけでも臭いケアができます。
ダイレクトに体臭ケアをしたいなら、重曹を溶かした水(ぬるま湯)で毛や体を拭くという方法が効果的です。
重曹は臭い消しに役立つので、いちど試してみてはいかがでしょうか。
犬の糞尿が臭いの原因の場合
犬の体からは嫌な臭いがしないのに、何となく悪臭がするという場合は糞尿が原因かもしれません。
糞尿は放置しないのが鉄則ですが、すぐに処理できず臭いが残る場合もあります。
その臭いがカーペットやフローリングの床、カーテン、壁、家具などに沁み込んでしまうと「犬臭い家」や「犬臭い部屋」になってしまうので注意が必要です。
カーペットの臭い解消とケア法
カーペットに付いた犬の臭いは、重曹とお酢を使ってケアしましょう。
まずカーペットの臭い部分を中心にお酢をまきます。
オスをまいた上に重曹を振りまくと、泡が出て臭い汚れが浮き上がってきます。
しばらく待ってから乾いた布でお酢と重曹を拭き取るか、掃除機で吸い取れば完了です。
じゅうたんも同じ方法でケアできます。
フローリングの臭い解消とケア法
一般のフローリング用洗剤で臭いが落ちない場合は、重曹かクエン酸を水に溶かして拭くと解消できます。
部分的におしっこをしてしまったときは、重曹を粉のまま振り掛けて15分ほど放置してから取り除きます。
最後に水拭きすれば臭いケアになります。
カーテン、壁、家具などの臭い解消とケア法
カーテンは丸洗いするのが最も効果的ですが、日常的には重曹やクエン酸、お酢を溶かした水をスプレーしてもケアできます。
布製のソファも同じ方法でケア可能です。
水拭きが可能な壁も重曹などを溶かした水で拭くと臭い解消になります。
犬は匂いに敏感なので、できるだけ市販の除菌消臭スプレーは使わないようにしてください。
トイレや周辺の臭い解消とケア法
犬のトイレやその周辺の臭いが気になる場合は、お酢またはクエン酸、レモン汁を使うと消臭対策になります。
お酢やクエン酸はアルカリ性のおしっこのケアには効果的です。
消臭だけでなく除菌対策にもなります。
レモン汁はさわやかな香りなので試してみてください。
春夏秋冬ごとの犬の臭いの違いと対処法
春(3~5月)
冬が終わり暖かくなり、犬の体臭が気になる季節です。
犬も活発に運動するようになるので、体臭が目立つようならシャワーを使ったり布で体を拭いてあげてください。
夏(6~8月)
じめじめした梅雨の季節は雑菌が繁殖しやすく、犬の体臭や糞尿の臭いが気になります。
消臭ケアだけでなく雑菌対策を実施してください。
気温が高くなる夏場は2週間に1回程度シャンプーをしましょう。
秋(9~11月)
目立つような臭いはない季節です。
多少の臭いが気になる場合は、ブラッシングをこまめにすると臭いケアができます。
あわせて耳の掃除もしてあげましょう。
冬(12~2月)
あまり犬の臭いは気にならない季節ですが、暖房が強いと体臭が目立つ場合があります。
シャンプーは月1回程度で、気になるようなら重曹を溶かしたお湯で体を拭いてあげてください。
犬の臭い対策で気を付けるべきことは?
体臭が気になったらエサに注目
犬の体臭はエサの種類によっても変わります。
安いからといって品質の良くないエサばかり与えていると、体臭が気になったり糞尿が臭くなったりします。
臭い対策に効果があるのは、ナチュラルで添加物が少ないエサです。
消臭や掃除だけでなく、エサにも注目するようにしましょう。
食後は口のお掃除をしてあげよう
犬の排泄物の臭いには気を使っていても、食後の口のケアをしないという飼い主も少なくないようです。
エサを食べたあとの口の中ケアや口周りのケアは臭い対策に効果的です。
歯磨きができれば口臭予防や解消に役立ちますが、細かいケアができないときでも、口の周りの食べカスを拭いてあげるだけでも臭いケアになります。
犬の足裏は悪臭の元になることがある
ちょっと意外かもしれませんが、犬の足裏に臭いがついていることがあります。
足の裏はケージの床やペットシートに直接触れる部分です。
そのため、床やシートの糞尿を踏んでいる可能性があり、嫌な臭いが移っていることがあるからです。
汚れたままの足でカーペットの上などを歩くと、悪臭をまき散らす結果になるのでマメに拭いてあげましょう。
犬のドクターズサプリで臭い対策
犬のエサに混ぜて食べさせるタイプのドクターサプリです。
無添加でナチュラルな素材で作られており、食べるだけで体臭予防に効果を発揮します。
ドクターズサプリという名称のとおり、獣医師の指導やアドバイスを元に造られたサプリなので安心感があります。
体臭ケアだけでなく皮膚トラブルなどにも効果が期待できるので試してみるといいでしょう。
肛門腺から臭い分泌液を絞り出す
犬の肛門周辺には「肛門腺」という独特の臭いがする液を分泌する腺が存在します。
肛門腺は犬が排せつをする際に圧迫され、嫌な臭いの分泌液を発生して悪臭の原因になるものです。
この悪臭を防ぐためには、肛門腺を絞って分泌液を人工的に排出させるという方法があります。
肛門腺絞りができにくい場合は、ペットショップや動物病院に頼むという方法もあるので検討してみてください。